何度も何度でも
「こなちゃ~ん♪ こにゃにゃぁ~♪」
と、呼ぶと、小夏は何時でもとびっきりの可愛い声でお返事を返してくれます。
この子は自分の声音が、とってもチャーミングだと知っているに違いありません!
あの、か細いけどよく通る、高音の「んぁ?あん?」と言う声は、一種のズルだと思います(笑)
沢山の名前で呼ばれてきた経験のある小夏です。
「ミコちゃん」だったり、「みーちゃん」だったりと、それぞれに親しみと愛情を込めた呼び名で、その時期を過ごして来た子です。
きっと、その頃にも今と同じ様に可愛い声でお返事していた事と思います。
そんな小夏も、もうすぐ4度目の春を我が家で迎える事になります。
今ではすっかり「小夏」と言う名に馴染み、それが自分の名前であることも十分に理解してくれている様です。
と言っても、かーさんやとーさんが彼女を呼ぶ時って、きまって少々崩した「愛称」ではあります。
「こにゃ」
「こにゃつ」
「こにゃにゃ」
「こにゃ姫」
「別嬪さん」
きっとどこのご家庭でもそうでしょうが、愛称ってのはどんどん変化いたしますよね(笑)
それでも、それは確かに自分を呼ぶ声だと言う事を、猫さんはちゃんと解ってくれます。

八朔が私達と出会う前、どんな呼び方をされていたのかは解りません。
おそらくは、あのお社で何方かには何らかの呼び名で呼ばれていたのではないかと想像するのみです。
かーさんの腕に抱かれて、我が家に連れてこられる際「この子の名前は八朔!」と、かーさんに命名されて以来、この子は「八朔」としての猫生を歩み始めた事になります。
あれから4年と半…
八朔は、八朔以外の何物でもなくなりました。
まるで、生まれついてから八朔であったかのように。
「はっちゃん」
「はっちゃく」
「はっちゃ~」
「ボクボク」
八朔にも沢山の愛称があります。
そして、八朔もそのどれもを「自分」の呼び名であると解っています。
最も、コヤツは小夏ほど律儀にお返事など返してはくれません(笑)
人一倍お喋りなくせに、喋るのは「ボクの都合」です。
かーさんが呼んでも、良くて振り向くか、耳だけか、下手すると尻尾だけ(笑)
そのくせ、自分がかーさんを呼ぶ時は、かーさんがちゃんとお相手するまで、しつこく呼び続けると言う、何とも我儘な「猫様」です。

「シックスネーションズ」観戦を邪魔する猫(笑)
八朔を連れ帰る時。
小夏を迎え入れようと心を決めた時。
「八朔」と「小夏」と言う名前が生まれました。
それは、かーさん達がこの子達の命に責任を持つと決めた、契約の証でした。
一番身近で、この子達を見守り、愛する権利を手にした事でもあります。
ただの茶トラの猫から、我が家の特別な宝物として、生涯をその名で呼ばれる事になったのです。
「八朔かーさん」「八朔(または小夏)とーさん」も、時を同じくして誕生致しました。
「誰々さんちの〇〇ちゃん」
そんな特別な認識と、特別な親近感を持つ猫さん達もたくさん生まれました。
そのどの子を思い浮かべる時も、頭の中にはふんわりと温かいイメージが湧いてきます。
沢山の「特別」がそこにある。
その特別の数だけ、物語があって思い出がある。
名付けられた命は、どれも特別なのです。
願わくば、この世に生まれる小さな命達の全てが「特別」であれと祈ります。
ありふれているけど、そのどれもが特別な命であれと願います。
その仕草の一つ一つに笑い声をあげ、その気ままさに苦笑いしつつ…
今日もかーさんは、けしからん程に愛しい茶トラーズの契約の名を呼びます。
。。。はっちゃく大好きだよ
。。。こにゃつ可愛いね
何度も何度でも!



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