野獣達の宴

獲物を狙う茶トラーズ！（左小夏、右八朔）出して数分ほどで半分以上破壊されたオモチャ…（－－；



小夏の動きは素早い！
獲物を見つけた瞬間に走り出す姿は、サバンナを翔けるメスライオンの如き美しさ…
抜群の持久力をも兼ね備え、狙った獲物は決して諦めない不屈の精神の持ち主でもある！


その目の輝きたるや、黄金の矢の如く鋭い。
何よりも特筆すべきは、その黄金の右手から繰り出されるパンチの素早さである。
ボクシングの世界統一王者もかくあらんと思わせるその腕の振りは、彼女が世界デビューした暁にはきっとこう呼ばれるだろう。


「幻の右を持つ女」と…



「…今日の戦いも熾烈だったわ…」　　←勝利に終わった戦いの後の戦士の休息…「幻のクリームパン右手と小夏」



方や…
八朔の一撃は重い！
動かざること山の如し…じっと獲物が弱るのを待ち続ける忍耐力は不動の砦…
いざ好機と見るや否や、物陰から飛び出し、一撃必殺の技を繰り出す！


その動きは、密林に潜む王者の如く無駄がない。
放たれた野獣は、容赦なく獲物を捕らえ、その強い肢体で抑え込み食いちぎるのだ。
気配を消し、相手に気付かれる事無く忍び寄り、確実に捕らえるその様は、あの「スイス銀行へ振り込んでくれ」のスナイパーさながらである。
人は彼をこう呼ぶ…


「黄金のスナイパー」と…




「…また無益な殺生をしてしまったか…」　　←獲物を破壊しつくした後の苦い後悔を噛みしめる…「スナイパー八朔」



この無敵の兄妹にかかれば、１９８円の玩具など、アッと言う間にその姿を変えてしまう…
リボンは縦に引き裂かれ…
輝く緑の羽は根元から食いちぎられ…
その存在を示すかのような可憐な黄色い目玉は、スポ～～ンと飛んで行った。。。


過去数度に渡って繰り広げられた、このオモチャとの戦いは、常に茶色い獣の勝利に終わったのである。
しかも！
一度は、あまりの圧勝の余韻に浸りすぎて、その残骸を食べてしまうと言う蛮行にまで及んだのだ！



しかし…獣達のうちのスナイパーは、何故かこの獲物を心より愛している様だ…
他の獲物は、幻の右を持つ妹に譲り、自分はじっと物陰から見つめるだけなのだが。
この「緑のトンボさん♪」だけは違う！


出した瞬間に、妹を蹴散らしてまで瞬時に襲い掛かるのだ。




「小夏下がってろ！ここはボクが行く！」　「はっちゃく、たま～～には男らしいのね」　←黄金の左手炸裂２秒前！不敵な表情の八朔手前。ちょっと引いてみた小夏奥。



こうして瞬く間に終わった饗宴…
宴の後の虚しさは、いつの時も変わらない。


一仕事を終え、満足そうに眠りにつく野獣２匹。
その安らかな眠りに、破壊されつくした「緑のトンボさん♪」の悲鳴は届かない…
そして…もう一つの溜息も、決して届く事はないのだ。


「とーさん、このトンボさん、今度は５つくらい仕入れておかなきゃダメだわ…」




「あらら…もう壊れちゃったのね」　「また新記録を作ってしまったか…」　←宴の終焉を告げる撤収に、それぞれの感想。。。左八朔、右小夏。






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