秋三景

八朔
【花】
匂いに誘われて、速足で角を曲がると
そこには、零れんばかりの金木犀の花…花…花…
小さな花びらの一片一片が香り立つ。
一陣の風が吹いて…花が舞い…
髪に、腕に、胸に降り注いで
「今年も咲いたよ」
「来年もまた来てね」
お喋りな花達に別れを告げて家路を急ぐと
残り香…?
辿りついた部屋で、羽織っていたパーカーを脱ぐと
フードの中から、人懐っこい花達がヒラヒラ…
付いてきてくれたんだね…
季節の妖精たち

小夏
【食】
秋の匂いを覚えていますか?
サンマを焼く香ばしい匂い…
ほっこり炊き上げた煮物の醤油の匂い…
お隣の若いご夫婦のお部屋からは、コトコト煮込むシチューの匂い。
秋の夕暮は、お腹が空く匂いに満ちていました…
我が家の今夜の献立も秋満載に仕立てましょう。
旬のサンマはシンプルに…たっぷりの大根おろしを添えて塩焼きに…
大振りの里芋は、ほっくり煮含めて鶏の挽肉と煮っ転がしましょうね…
ちょっぴり残った挽肉は、大葉を刻んでコネコネ…レンコンに挟んで天麩羅に…
必需品の玉ねぎサラダは、今夜は柚子胡椒風味のもろみで和えて…
お味噌汁は豆腐に薄揚げ…ワカメも入れて具だくさん♪
お野菜置き場に所在なく転がっているカボチャさん。
明日は貴方の出番です!
フックリ蒸しあげて、可愛いコロッケにでも変身させましょう。
お山の恵みのキノコもたっぷり…
ベーコンと煮込んでクリーム煮。
シャキシャキの水菜はチリメンジャコとサラダになってもらいます。
潰した茹で卵を飾ったら、お洒落なミモザになりますね。
秋のキッチンは大忙し!
あれもこれも美味しくて…何もかもが美味しくて♪
幸せの匂いが立ち込めます。

「気の早い伊達巻できました♪」小夏
【読】
図書館の匂いが好きです。
少し埃っぽくて…紙の匂いに満ちていて…
時間を忘れて、端から端まで棚を見上げて歩きます。
学生時代に読んだ本
何故かまた読みたくなって手に取ると…
あの頃が一気に戻ってきます。
なのに…文字が教えてくれる世界はずっと深まっている。
何時もなら素通りするジャンルの棚…
何故か本に手招きされた気がして
最初の文字に目を落とした時から、その世界に引きずり込まれたり…
不思議ですね
本は「呼んでくれるのです」
「今なら解ってくれるよね」
「今必要なのは、この言葉だよ」
長くなった夜には、そんな本達の声に耳を傾け
心の引き出しに「言葉達」を仕舞いこみましょう…
言の葉を枯らさないよう。。。
言霊を忘れないよう。。。

「八朔巻きは、まだ少し巻が甘いです」
天候には恵まれなかった週末になりました。
こんな時は、お家で猫さんとほっこり過ごすのが一番かもしれませんね。
秋本番!
そんな秋の光景を3つ切り取って、本日の「かーさんの好き勝手デー」でした。
コメント欄はクローズさせて頂きますね♪


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